風流 川中島の合戦

14番運行
物語部門

風流川中島の合戦

新庄ヘルスセンター囃子:不明

解説

時は永祿四年九月十目(一五六一年)のことであった。昨日の兵火も忘れたかのように、川中島に陣する武田勢はシーンとしずまりかえつていた。ほの白さにつつまれた秋の夜明けであるとその静寂をつき破るような雄叫びが、信玄の本陣はるかに湧きおこつた。
(スワツ!何事ぞ!)
ガバツと巨体をおこした信玄は、「物見せい!」ときびしく命じつつ将座にむかつて歩をすすめた。その時である思いもかけない敵将謙信がわずかな手勢をひきつれ突入してきた。『信玄入道やある!』
知謀のかぎりをつくした。二十日あまりの激斗を将と将との一騎打ちで結着しようという大胆きわまる謙信の奇襲戦であつた。大刃合わせるまもなく眼前におどりこんだ適将の刃を信玄はオオツとばかりに手にした軍扇で受けとめる………………
それは一瞬くりひろげられた。
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