風流 文覚と不動明王

2番運行
物語部門

風流文覚と不動明王

鐵砲町若連囃子:不明

解説

時は源平の初期平冶の頃の事である
北面の武士「朝廷守護の武士」遠藤武者盛遠は同役渡辺渡の妻袈裟御前に恋をし云いよるが真心厚き袈裟御前はいつこうになびこうとしませんので業をにやした盛遠は夫の渡を殺すとおどしつけます詮方なく袈裟御前に夫の身代わりになろうと決心し今夜館に忍び込み頭髪の濡れている方が夫であるからそれを討つ様にと自分の髪を洗い伏し居りました何にも知らず忍び込んだ盛遠が何なく首を討ち落し月あかりに透かし見て袈裟御前の首に気も転倒するばかりに驚いた盛遠は前非を悔いて出家得度し深山幽谷でなん苦業をつみますがいまだ己の罪は消えぬとて高野山ヘ上り那智の滝に打たれ荒業をつむ満願の日しばし疲れまどろむと目前に不動明王が現れ出て「汝の罪はとうに消滅せり此の後はよくよく信心合掌して世の人々の為に尽くせ」と申し渡して御姿消え失せました此の盛遠が後の文覚上人である
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