室町末期の武将里見義実の娘伏姫が八房という愛犬の精に感じて生んだ『仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌』の玉をもつ八犬士が里見家再興のため、活躍する物語です。この場面は八犬士の一人、犬塚信乃が父の遺言により足利御所へ家宝「村雨丸」を献上し、犬塚家再興を願い出たが、刀がすりかえられていたので怪しまれ、警護の武士に追われる。追手を振り払いつつ高櫓「芳流閣」の上まで逃れると「手強い奴、かくなる上は現八に討たせよ！」という将軍の命により、無実の罪で入牢中であった犬飼現八が引き出され、竜虎相打つ楼上の闘争となり、誤って両者利根川へ真っ逆さまに転落するというものです。のちに義兄弟とわかり、里見家再興のため大活躍する信乃と現八の芳流閣決闘の場です。
