兄頼朝と不和になった義経が、京から奥州へ落ちる途中、家来五人は山伏姿、義経は強力(荷物持ち)に姿を変え、加貿の国安宅の関にさしかかる。山伏は通さないといわれ、覚悟を決め最後の祈りをしていると、奈良東大寺建立のため諸国を回るのであれば、その勧進帳を読めと、関主の富樫が迫る。弁慶は白紙の巻物を勧進帳とみせかけて読み上げる。
「それ、つらつらおもんみれば、大恩教主の秋の月、涅槃の雲に隠れ……………。」
山伏の心備え、扮装の質問にも的確に答えたので通過を許されるが、強力が義経に似ていると止められ、弁慶はとっさに主である義経を打擲する。富樫はその苦衷を感じて見のがし、一行は陸奧へ落ちるという歌舞伎十八番、市川家得意の荒事、弁慶が元禄見得をきった場面です。
「それ、つらつらおもんみれば、大恩教主の秋の月、涅槃の雲に隠れ……………。」
山伏の心備え、扮装の質問にも的確に答えたので通過を許されるが、強力が義経に似ていると止められ、弁慶はとっさに主である義経を打擲する。富樫はその苦衷を感じて見のがし、一行は陸奧へ落ちるという歌舞伎十八番、市川家得意の荒事、弁慶が元禄見得をきった場面です。