ある日、かぐや姫は、月を見て物思いにふけるようになった理由を翁に告白します。「自分は月の人であり、八月十五日には月に帰らなければならない」と。この言葉に翁は激怒し、帝に警護の兵を賜るよう奏上し、帝は二千の兵を派遣しました。夜中の十二時、屋敷の周辺が光に包まれ、そこに月の使者が現れます。兵は勿論、翁でさえその光景を見守る以外になす術なく、呆然としています。かぐや姫は、着れば思い悩むことがなくなるという天の羽衣をまとい、もはや翁への思いすらなく、そして、飛ぶ車に乗り、大勢の天人を連れ、天に昇っていったのでした。