平維茂は信州戸隠山での紅葉狩の道中、更科姫一行の酒宴に出会います。維茂は更科姫の誘いを受け、盃を重ね美女たちの舞に見とれている内に寝入ってしまい、いつの間にか姫たちは山中に姿を消しました。すると維茂の夢の仲に男山八幡の神女八百媛が現れ、更科姫一行は実は戸隠山の鬼女であることを告げ、維茂に神剣を授けます。維茂が目を覚ますと先程の酒宴の席は跡形もなく、やがて雷鳴が轟き山風が吹き荒れてきました。すると、更科姫たちは鬼女へと姿を変えて維茂を襲いかかります。維茂は神剣を抜いて応戦し、激しい格闘を繰り広げるという、市川猿之助四十八撰の内の名場面です。