昔ある所に頭が五つある恐ろしい五頭龍がおり、洪水や山崩れを引き起こすなど、悪事の数々を続けて村人を困らせていました。 これを見かねた天女が天から舞い降りてきました。五頭龍は、あまりの美しさに目を奪われ天女に求婚します。ところが天女は五頭龍の悪行を非難して五頭龍の願いを聞き入れません。 五頭龍は行いを改めることを誓い、天女は結婚を受け入れました。 その後五頭龍は、日照りには雨を降らし、台風を防ぎ、津波を押し返すなど天女との約束を果たすため村を守りますが、その度に体は弱っていきます。最後を悟った五頭龍は山となり村 を守るのでした。 この天女が舞い降りたときにできた島が現在の江の島で、天女は江の島の弁財天として、五頭龍は江の島の向かいにある龍口明神に祀られています。