元禄歌舞伎 「成田山分身不動 」

16番運行
歌舞伎部門

元禄歌舞伎 「成田山分身不動 」

若葉町若連囃子:飛田囃子若連

解説

 大伴黒主は小野小町への想いを伝えるが断られる。無理に想いを遂げようとした黒主は煩悩の地獄へ落ち怨霊となり小町を苦しめるが、不動明王の怨親平等の慈悲の導きにより共に救われる。しかし、黒主は妻子ある身で小町を諦めきれなかった自らを悔み自害するが、不動明王の霊験により成仏得脱し金剛界の不動となり胎蔵界の不動と一体分身となる。

 また、市川宗家のみで披露される右手を胸の前で握り左手三方を持つ「にらみ」の見得。この姿も悪霊病魔を祓う不動明王の分身で演者に睨まれると無病息災と言われる為、観客の健康を願い披露されている。

 歌舞伎の名門市川宗家の初代市川團十郎は成田山不動明王に祈願し二代目を授かり、二代目は仏恩に報謝するため十歳の時に初舞台で不動明王を演じ評判となり「不動明王の申し子」と言われた。以後、自らの屋号を「成田屋」と称し不動明王の御加護を祈願している。

 この山車をご覧になる皆様への不動明王の御加護と無病息災を願っております。

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