その昔、寂昭法師は天竺に渡り、難苦修行の途中に文珠の浄土「清涼山」を訪れ、奇端の石橋を苦行の末に渡り、聖地に佇むと、断崖に文珠菩薩の眷族といわれる霊獣 獅子が現れ、獅子は滝の水で髪を洗い、牡丹の花に戯れ、千秋万歳の勇壮な獅子の舞を見せてくれます。
これが能楽石橋の概要ですが、獅子は生まれた子の強弱を試みるために、子を千尋の谷に投げ込み、途中で岩角に取り付く程の強きもののみ育てるという、いわゆる獅子の子落としを舞台化した歌舞伎の名場面であります。