鎌倉八幡宮の社頭、「清原武衛」は板東一帯を手中に収め、自ら関白の位につこうとしています。そして、今もお家再興を願う「加茂次郎」の一族が奉納した大福帳と掛額が目障りだと難癖をつけ、皆を殺して、「加茂次郎」の許嫁「桂の前」を横取りしようとします。そしてこの善人たちが、悪役社頭の手下「腹出し」と呼ばれる赤面の男に今まさに理不尽にも斬り殺されようという瞬間に、勇者「鎌倉権五郎景政」が大太刀を持って「しばらく、しばらく」と言いながら花道から登場し、ドッカと座って動かない「鎌倉権五郎」を悪人たちは何とか追いやろうとします。「権五郎」は立ち上がり悪人どもに向かっていくと、その迫力に悪人たちは震え上がります。「権五郎」は、「武衛」の無法を詰問し、善人たちを助け悠々と引き上げていきます。
