天下をねらう松永大善は将軍義輝を謀殺したあと、金閣寺でぜいたくな日々を送り、将軍の母慶寿院をその高楼に幽閉していた。大善は天井板一枚一枚に墨絵の雲龍を描かせようと雪舟の孫娘の雪姫とそのいいなづけの狩野直信を捕らえおどすが言うことをきかない。逆に、父雪村が大善に殺され宝剣倶利加羅丸を奪われたことを知った雪姫が大善に斬りかかるが取り押さえられ桜の幹にしばられてしまう。そこで雪姫は祖父雪舟が幼い頃にしばられたまま涙でねずみを描いたという故事にならい、花びらでねずみを描いた。するとそれが生きたねずみとなり雪姫をくいちぎり逃れるが、再び捕らえられる。しかし、慶寿院を救出するために大善のもとにもぐりこんでいた小田春永の家臣で智恵者の此下東吉が雪姫たちの危急を救い宝剣倶利加羅丸を取りもどし、慶寿院も見事に助け出す。
(織田信長の伝記「信長」を脚色した作品)
(織田信長の伝記「信長」を脚色した作品)