風流 京都蟹満寺の由来

14番運行
物語部門

風流京都蟹満寺の由来

上金沢町若連囃子:仁間囃子若連

解説

京都府相楽郡山城町に一軒の農家があった。家族は夫婦と娘と三人で、娘は人並み秀れた美しさを持った上、観世音菩薩を信仰する心の優しい娘であった。ある日村人に殺されそうになった蟹を金をやって買取り放してやった。数日後父が野良で蛙を呑もうとしている蛇を見てかわいそうに思い娘をやるから蛙を助けて欲しいと頼んだ。そして娘にこの話をすると自分の部屋に入り静かに観世音経を読み始めた。その夜、貴公子姿で現れた蛇は、戸締まりかしてあるのに怒り雨風を起こし暴れた。暫くして、外が急に静かになったので戸を開けて見るとあたり一面蛇の肉片と何千匹の蟹の死骸があった。命を助けてもらった蟹が身を犠牲にして蛇と戦ったのだった。そして、その蟹と蛇の霊を慰めるため、一寺を建立したのが現在の普門蟹満寺である。
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