風流 女暫

5番運行
歌舞伎部門

風流女暫

横町・下万場町若連囃子:不明

解説

鎌倉鶴ヶ岡八幡の社頭。今日坂東諸国に威を張る平蒔門が関白宣下の或目、そこへ加茂次郎義綱らがお家再興の祈願に大副帳の奉納額をあげたのを将門の家来共はそれを目障り不埓なりと難くせつけて皆を御前に引立る、理不尽にも一同を成敗せよと命ずる。首切役は肌ぬぎ股立とつて太刀ふりあげ「観念しろえ―」とかゝるとたんに「巴御前」が「しばらく」と声かけて花道に現れる。敵役共びつくり。巴の名のりつらね将門との大福帳のいわれ問答あり、敵役鯰坊主鹿島入道これを追立てようとすれど歯がたたずついに巴は本舞台に追つて義綱を助け紛失の国守の印と富丸の名劔も義綱の手に戻りめでたくお家再興という筋。
“女暫”は歌舞伎十八番中の暫の主人公を女に取り替えたもので今から二百年前に江戸役者が始めて上演したと言う事になつている当代髄一のものである。
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