鳴神

6番運行
歌舞伎部門
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解説

 世継ぎのいない天皇からの依頼をうけて、鳴神上人は戒壇建立を約束に皇子誕生の願をかけ、見事これを成就させる。しかし当の天皇が戒壇建立の約束を反故にしたため、怒った上人は呪術を用いて、雨を降らす竜神を滝壺に封印してしまう。
 それからというもの雨の降らぬ日が続き、やがて国中が旱魃に襲われ、民百姓は困りはててしまった。そこで朝廷では女色をもって上人の呪術を破ろうと、内裏一の美女・雲の絶間姫を上人の許に送り込む。姫の色仕掛けにはさすがの上人も抗しきれず、思わずその身体に触れたが最後、とうとう戒律を犯し、さらには酒に酔いつぶれて眠ってしまう。その隙を見計って姫が滝壺に張ってある注連縄を切ると封印が解け、竜神がそこから飛び出すと一天にわかにかき曇ってやがて豪雨となり、姫はその場を逃げ去る。雨の音に飛び起きた上人はやっと騙されたことに気づき烈火のごとく怒り、髪は逆立ち着ている物は炎となって姫を逃さじと、その後を追いかけようとした時に、粂寺弾正が、押戻として登場する場面である。

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