風流 天守物語

9番運行
歌舞伎部門

解説

播州姫路の白鷺城。見事に優美な天守の最上部には百年来、人が踏み入ることはなかった。そこに、姫川図書之助が城主の命により鷹を探しに訪れだ。図書之助の前に現れたのは美しく威厳をもつ富姫。「鷹には鷹の世界がある。人のものではない。」鷹の代わりに富姫はこの城に代々伝わる兜を図書之助に与えた。引き返した図書之助は、兜を盗んだ逆賊とされ、行き場を失い天守に逃げこんだ。それをかばい討手と戦う富姫と青獅子の精。討手は追い返したものの、青獅子の目に矢が突きささり、富姫の目む見えなくなった。実は青獅子の精により生かされていたのだった。そこにに現れたのが名人、近江丞桃六。青獅子に新たな目を彫ると同時に富姫の目が開き、天守に光が戻る。図書之助は富姫と共に妖の世界で生きることを決意する。泉鏡花原作、玉三郎主演の夢幻的世界の歌舞伎である。
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