風流 娘道成寺

11番運行
歌舞伎部門

風流娘道成寺

松風会囃子:不明

解説

紀州日高郡天竜山道成寺に始まる「道底寺」縁起は古くからありました。歌舞伎の舞台へとり上げられるようになつたのは寛文年間の頃、宝暦三年三月二十六日当日江戸中村座にて中村富十郎によつて「京鹿子娘道成寺」が初演されました。雨来「娘道成寺」はきらびやかな似合、華麗な引扱き衣裳の変化等歌舞伎に好条件を見えていると申せましよう。後世六代目菊五郎の名舞台が今日の流行に拍車をかけ、歌右衛門の定評ある好演技は更に世間の風評を高めたものと言えます。
当松風会の此の舞台は皆様すでに御承知の通り「花の姿の乱髪」日高庄屋の娘清姫が蛇体となつて、契りをかわした安珍のかくれて居りました鐘にからみつき炎を燃して焼きつくそうとしました。これを押えようとした道成寺の寺持大舘左馬五郎の大活躍の場面で、いわゆる歌舞伎十八番中の荒事風「押戻し」の名舞台であります。華麗な衣裳そして妙令の人形丹精尽した豪快な美を観賞御批評下さい。
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