風流 「御所の五郎蔵」曽我綉侠御所染

6番運行
歌舞伎部門

風流「御所の五郎蔵」曽我綉侠御所染

北本町若連囃子:不明

解説

挾客御所五郎蔵…………
前身は信州小諸城主浅間巴之亟の近習、須崎角弥で、角弥と腰元「さつき」とは、角弥のライバル陰形(忍術のひとつ)使いの星影土右工門に不義をいいたてられ失職となるが土右工門も、お家横領の一味であるごとが発覚して追放される。角弥は病に伏し、さつきは廊(サロン)の花形屋に身を沈めるが、其の後七年、全盛の傾城(ホステス)皐月太夫となり又、角弥も眉目秀麗、一刀流の達人でもあり男達となつて、御所の五郎蔵と江戸随一の侠客となつた。夫ともども、古主巴之亟が亡き愛妾に生写しの逢州太夫を揚げつめて、遊興費の滞りに難渋しているのを報恩の好機と肝胆を砕いている。そうゆう晩春のある宵、土右工門は角弥の五郎蔵と再会、今は売物買物のさつきに積年の片恋を晴らそうとするので五郎蔵は強くはねつけたものの今宵中と切つた金の工面がつかない。そこへつけ込む土右工門に屈して身静金の百両を入手した。さつきは遺書で申し訳さと土右工門の面前で五郎蔵に憂想つかしを言う。事情を知らない五郎蔵は「晦口に月の出る廓も闇があるから覚えていろ」と逆上し、夜更の路に土右工門たちを迎えうつが斬つたのは、さつきの禰かけを着た主君の愛妓逢州太夫であつだ。(歌舞伎の名場面「時鳥廓の達引格子先の場」である)
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