寿曽我対面

14番運行
歌舞伎部門

寿曽我対面

北町若連囃子:萩野囃子若連

解説

 鎌倉幕府を開いた源頼朝の幕下、工藤祐経は源頼朝の信任厚く、数多の大名の筆頭の地位であり、富士の裾野で行われる卷狩の総奉行まで仰せつかった。
その祝いの宴に大名たちがつめかけ、大磯の廓からも虎と少将ら、全盛の遊女たちが花を添えている。皆々から勧められて、工藤は高座に着座する。その祝いの場に、朝比奈三郎の取り成しで、曽我十郎と五郎の兄弟が工藤に会いにやってくる。二人は工藤が父を討った仇敵として、ようやく工藤に対面することができたのだ。その場で工藤を討とうとはやる弟。工藤は兄弟に、紛失している宝剣・友切丸が見つかるまでは、仇討はできないと申し渡す。五郎は切歯扼腕するところで、友切丸が手にはいる。工藤は勇む兄弟に「時節をまて」と言い、卷狩の狩場の通行切手を与えて、再会を約束する。総奉行の大事な役目を終えたら、兄弟に会おうという思いがこめられている。工藤と兄弟は狩場での再会を約束して別れるのだった。

戻る