関ヶ原の戦いで徳川方に属した戸澤政盛は幕府より、最上氏の家中騒動を理由に改易された後を受けて、常陸松岡から出羽新庄に入部、新庄藩を立藩した。以後新庄藩は最上郡全域と村山郡の一部を統治し、明治の戊辰戦争にて落城、廃藩置県になるまで藩政は二百四十年程続いた。
今日は城内での開府の祝祭の宴。満開の桜が繁る中、二人の役者が城内に現れ親子獅子に扮し、幻想的かつ勇壮的に踊り狂い、満場の中での藩主や家臣の心を魅了し賞賛をうける。
『連獅子』は皆様ご存知、親獅子が仔獅子を千尋の谷に突き落とし這い上がってきた強い子だけ育てるという話、いわゆる「獅子の子落とし」を歌舞伎として表現したもので、これからの苦難や希望に立ち上がる藩政と領民の士気と繁栄を高めるのに相応しい祝祭舞踊劇である。
沖の町若連が今年、新庄藩開府四百年を記念とした創作物語であります。