風流 弁慶立往生

「一の谷、屋島、壇ノ浦」など多くの合戦で功績を挙げ、平家を滅ぼす最大の功労者となった源義経であったが、兄頼朝との確執から、朝敵として追われる身となってしまった。
弁慶も忠実な家来として、その功績に貢献していたが、義経が追われる身となってからも、その忠実性に変わりはなかった。義経追捕の勢力が増す中、弁慶は、義経一行とともに奥州平泉に身を寄せていた。
そして文治五年（一一八九）、とうとう頼朝の圧力に屈した藤原泰衡は、五百騎の軍勢で義経の居城（衣川館）に攻め入った。わずかな兵力の中、多数の敵勢を相手にした弁慶は、義経を守るため堂の入口に立ち、薙刀を振るって戦い、雨の様な敵の矢を受け続け、立ったまま死んだといわれている。
炎の舞う中、亡くなってもなお義経を守り続けようとする、弁慶の迫力ある一場面です。