風流 伊勢龍神伝説

19番運行
物語部門

風流伊勢龍神伝説

常仲町若連囃子:升形若連

解説

こんもりと緑を盛り上げた倉田山の北の峰に、松尾観音寺というお寺があった。本堂裏にある二つ池(龍池)と呼ばれる二つの池には、昔から東の池には雄龍、西の池には雌龍がそれぞれ住んでおり、観音様をお守りになっていると言われている。今から約六百年前の応永十年五月、にわかに本堂から火の手が上がったが、山中の寺の為人々の気付くのが遅く、駆けつけた時はもう本堂は火の柱となっていた。手のほどこしようもなく、村人たちは「観音さまが…」とおろおろするばかりだった。その時、すさまじい炎の中に二つ池から二体の龍神様がお姿を現された。雄龍は燃え盛る炎を飲み込みながら舞い降り、観音様を自らの体に巻き付け、また、雌龍は何度も池の水を炎に吹きかけ観音様を火災からお守りになった。
今でも村人たちは、龍神様が生きていると固く信じて疑わないそうである。
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