風流 箱根霊験記躄の仇討

飯沼勝五郎の父は、同家中の佐藤剛三の妬みにあって闇討に相果てた。勝五郎は九十九新左衛門に下僕道助と名乗って仕えているうち、娘の初花姫がきつい恋慕、ついに夫婦になり仇討の旅に出たが、勝五郎は風疾を頬い足腰の立たない躄になってしまった。貞節な妻にひかれ、箱根権現の滝へ向ったが、哀れ初花は、名を改めた敵滝口上野の無態の恋をしりぞけたために返り討になったが、勝五郎は、初花の信念の助けをかり、めでたぐ本懐を遂げることが出来ました。