石橋

12番運行
歌舞伎部門

解説

 その昔、大江の国の高僧、寂昭法師が、天竺の清涼山と言う奥山で、難苦修行の途中、ある大滝にかかる石橋の袂に一時の休養を求め、しばしまどろんだ。

 すると、夢枕に親子の獅子が現れ、身の毛もよだつ万丈の崖の千尋の谷で子獅子を谷に落とした。親獅子が涙して見守る中で子獅子の成長を未来に託す思いや愛情、夕日に染まった断崖の景色、親子獅子が牡丹の花に戯れながら豪壮な石橋で万才千秋を寿ぎ舞う姿に、寂昭法師は満身に感動を覚えて眼を覚ました。

 そして、さらに精進を誓い、再び旅立った。

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