鳴神

20番運行
歌舞伎部門

解説

 世継のない天皇からの依頼を受け、鳴神上人は戒壇建立を約束に皇子誕生の願を掛け、見事成就させるも約束は反故にされます。怒った上人は呪術をもって龍神を滝壺に封印すると雨は降らず国中が千ばつに見舞われ、民百姓は困り果ててしまいます。そこで朝廷は女色をもって上人の呪術を破ろうと絶世の美女である雲絶間姫を上人のもとに送り込みます。姫の色仕掛に抗いきれず、戒律を破り酒に酔い潰れ眠ってしまいます。その隙を見計らい姫が滝壺の注連縄を切ると封印が解けた龍神は昇天し、にわかに空は雨雲に覆われ雨は大地へ降り注がれます。その光景を確認し姫は一気にその場から逃げ去ります。強く降り注ぐ雨音に跳ね起きた上人は、騙されたことに気付き怒り狂います。髪を逆立て着物を炎に包み、なだめる弟子をはねのけ、姫の後を追う歌舞伎荒事の名場面です。

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