寛政九年、江戸日本橋にのちの人気浮世絵師が誕生した。歌川國芳、画号【一勇斎國芳】である。
幼少期から絵を学び、才能を見出された國芳は初代歌川豊国の弟子として入門した。思うように評価されなかった國芳だが『通俗水滸伝』で人気絵師の仲間入りを果たす。幕府の規制を斬新な発想と遊び心で巧みにかわしながら、人気をさらに不動のものとした。『宮本武蔵の鯨退治』、『見かけは怖いがとんだ良い人だ』などインパクトのある作品を世に出し続けた。自分の姿を描いた作品では決まって後ろ姿という一面もあった。
また、猫好きの國芳は猫を使った作品など動物の擬人化作品も多く、國芳らしい愉快さや発想の奇抜さが人々の心を掴み現代でも人気となっている。
そんな一勇斎國芳の頭の中を表現した場面である。