神明鏡 玉藻の前の伝説

11番運行
物語部門

神明鏡 玉藻の前の伝説

常仲町若連囃子:升形若連

解説

 平安時代の末期、鳥羽上皇の御代のこと。見たら誰もが恋い焦がれると言う絶世の美女がいた。その名前は玉藻前と言う。これを聞きつけた上皇はその美女を側女としたのだがそれ以来どうも上皇の様子がおかしい。顔は青白く目は虚ろ、行動には落ち着きがなく、しまいには家臣達の言葉も聞き入れなくなってしまった。どうしたことかと心配した家臣達は陰陽師の安部泰成に占いを依頼した。その結果この原因は、上皇に九本の尾をもった狐が取り付いているとの説明を受ける。これに驚いた家臣達は泰成に調伏を願った。泰成が晴明ゆかりの泰山府君の法をとり行うと玉藻前は苦しみ悶え、ついに正体を現し天空へ飛び去って行った。その後この九尾の狐は那須の地にて、三浦介と上総介の二人の武士により討ち取られることになった。しかし九尾の狐はその直後、自分の魂を巨大な石に変え、付近の生き物全てを抹殺したと言う。これがあの有名な「殺生石」である。

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