源義朝の長男義平はその豪勇さから鎌倉悪源太と呼ばれ諸方から恐れられていた。平治の乱の後、義平は平清盛を討つべく六波羅に攻め入るが、寡兵敵せず捕らえられ六条河原で処刑されようとしていた。
義平は太刀取りの難波経房へ「己は俺の首を斬るに値する男か?晴れの大役ぞ、早う斬れ!さもなくばお前のしゃつ面に喰らいつくぞ」経房はせせら笑い「首を斬られた者がどうして喰らいつけようか」と問うと「今すぐにではない。我、雷神となりて復讐せん!」と言い放ち義平は斬首された。
暫くして清盛の快気祝いに摂津布引滝の見物に行くことになり、経房は胸騒ぎを覚え辞退しようとしたが結局は同行することにした。滝に到着し皆思い眺めていたところ、天俄かにかき曇り義平が雷神となって現れ、雷明を放ち経房に飛来した。経房は目をかっと見開き「俺が恐れていたのは正しくこの事だ!」と叫ぶや抜刀し立ち向かったが、雷に撃たれ絶命した。