兄頼朝の追討から逃れるため、義経一行は弁慶などわずかな家臣をたずさえ奥州平泉へと向かっていました。亀割峠にさしかかった時、かねて身重の北の方が産気づき、一行は山中に足止めとなりました。弁慶は産湯を求め川へと下り、紫雲立ち上る川辺の大岩を薙刀で突き破ると、不思議にも白龍昇天のごとくお湯が吹き出しました。このお湯は間もなく生まれた亀若丸の産湯にし、若君誕生を祝いました。これが瀬見温泉の由来とされています。 本山車では、弁慶が温泉を掘り当てる場面、「瀬」を「見」て川を渡る場面、産湯に亀若丸をつける場面の三場面を再現しました。