平安時代中期、丹波の国は大江山酒呑童子という鬼人が住んでおり、あまたの手下を従えて悪行の限りを尽くしていました。その酒呑童子は、手下の茨木童子を羅生門あたりにつかわせました。茨木童子は眉目秀麗な女に化けては鬼と化し、人をとりさらい、良民を大いに悩ませていました。それを退治するため、源頼光は四天王である渡辺綱を羅生門へ、そして坂田金時を助太刀に向かわせました。渡辺綱は羅生門の鬼と化した茨木童子と激しい戦いを演じます。当若連は、諸説あるこの鬼伝説を、近年、「土蜘蛛」、「渡辺綱」と制作してきたが、二六〇年祭の今年、その集大成として「羅生門」としてまとめました。