今から五百年程前、房州館山城主、里見義実は隣の国の城主に突然、戦いを仕掛けられもはや、これまでと思われた時、戯に飼犬八房にこう言った。敵将の首を捕って来たら一人娘、伏姫を嫁にやるぞ。ところが八房はその日のうちに敵将の生首をくわえて帰ってくる。敵将の死で形勢大逆転、戦は里見軍の大勝利。安房の国に平和が戻ったかに見えたが実はこの八房は体内に城主の家臣によって殺され、悪女玉梓の怨霊を宿していた。そうとも知らず困果は巡り戯れ一言が伏姫の運命を狂わせた。房州の山中で八房と暮らしていた伏姫だったが、姫を連れ戻しにやって来た家臣の撃った玉は八房を打ち抜いたがもう一発は伏姫の胸も貫き、胸元の数珠は空へ舞い上がり、里見家再興の為の八犬士へと姿を変えた。山車の場面はその儚き人生、伏姫の最後と八犬士誕生の場面を表現しました。