忠臣蔵の一番目を大序と言います。足利尊氏の弟直義は御代参として鎌倉へやつてきました。直義は高家筆頭の高武蔵守師直や桃井若狭之助塩谷判官、高定等の前で「兄尊氏に滅された新田義貞の兜は後醍醐天皇から頂いたものであるからその唐びつの中の沢山の兜の中から選び出し神社の宝蔵に入れ様と思う。其の兜を知つているのは判官の奥方顔世卸前であるから呼び出して選せよ」義貞の兜は名香の残り香ですぐにわかりますが、美しい顔世御前を見て師直が横恋慕して色々いやがらせをします。見かねた若狭之助がとめますと、師直は若狭之助を散々侮辱します。かつとした若狭之助は切りつけ様としましたが神前であることを思いじつとがまんします。翌日御所で切りつけ様としますが、家老の加主川本蔵が、師直に賄賂を送つたため急に態度が変ります。其ため相手が判官にかわります判官の身は切腹、家は断絶忠臣蔵のはじまりです。