弁天娘女男白浪

9番運行
歌舞伎部門

弁天娘女男白浪

大正町若連囃子:休場囃子若連

解説

 【浜松屋の場】 呉服商の浜松屋に美しい武家の娘と従者の若侍がやってきて、婚礼準備の品定めをしているとき、娘が商品の布をそっと懐に入れ、それを見つけた番頭は万引きだと騒ぎ立てます。もみ合いになり、番頭がそろばんで娘の頭を叩いてケガを負わせます。布はよその店で買ったもので、証拠の符牒を見せます。ケガの慰謝料、百両で帰ろうとしますが、店の奥から立派な侍が現れて、娘は本当は女ではなく男だと言います。正体を見破られた娘は「知らざあ言って聞かせやしょう・・・」の名台詞で盗賊の弁天小僧菊之助と白状し、若侍も仲間の南郷力丸だと明かします。金目当てのゆすりが失敗に終わった二人は、治療代の二十両だけを手に入れて店を後にします。

 【稲瀬川勢揃いの場】 桜が咲き誇る稲瀬川の堤に、揃いの小袖を着て番傘を持った五人の盗賊、日本駄右衛門・弁天小僧菊之助・忠信利平・赤星十三郎・南郷力丸が現れます。ここには大勢の追手の役人が待ち構えており、五人を捕えようと取り囲みます。すると、五人は次々と名乗りを上げて、追手たちと大立ち回りを演じます。

 【極楽寺屋根立腹の場】 稲瀬川から逃れた弁天小僧は、極楽寺の大屋根へ逃れます。大勢の追手に囲まれた弁天小僧は最後まで抵抗しますが、ついに覚悟を決めて、自らの腹に刀を突き立てて壮絶な最期を遂げます。

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