風流 蜘蛛の糸

18番運行
物語部門

風流蜘蛛の糸

下金沢町若連囃子:鳥越囃子若連
2015_18

解説

「蜘蛛の糸」は芥川龍之介が最初に書いた児童文学作品です。お釈迦様はある時、極楽の蓮池を通して下の地獄を覗き見たところ、多くの罪人と一緒の大泥棒の犍陀多を見つけました。お釈迦様は犍陀多が過去に一度だけ蜘蛛を踏み殺しかけてやめ、命を助けてやったことを思い出し、この男を地獄から救い出そうと、一本の蜘蛛の糸を地獄へと垂らしました。蜘蛛の糸を見た犍陀多は喜び、糸につかまって登り始めました。ところがふと下を見ると、無数の罪人が蟻のようによじ登ってきていました。犍陀多はこのままでは糸が切れると思い、罪人たちに「この蜘蛛の糸は俺のものだ。下りろ。下りろ。」と喚きます。その途端、犍陀多のぶら下がっている所から糸が切れ、まっさかさまに地獄に落ちてしまいました。自分だけが助かろうとした犍陀多を浅ましく思ったお釈迦様は、悲しそうな顔をしてまた散歩を始めました。しかし極楽の蓮池の蓮は、そんな事気にせず、相変わらず美しく、いい香りを辺りに振りまいていました。

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