風流 静の舞

2番運行
物語部門

風流静の舞

南本町若連囃子:関屋囃子若連

解説

一一八五年(文治元年)源義経の愛妾である白拍子静御前は、雪の吉野山中で義経にはぐれ幕府軍に捕えられ、鎌倉に送られました。翌一一八六年(文治二年)四月八日静は、鶴岡八幡宮の回廊で頼朝・政子夫妻に舞を命じられました。静は、「よし野山みねのしら雪ふみ分けていりにし人のあとぞこいしき」とまず歌を吟じ、次に別物の曲を歌った後、「しつやしつしつのをだまきくり返し昔を今になすよしもがな」と和歌を吟じて、舞いました。反逆の義経を慕い別れの曲歌を歌う静に、頼朝は激怒しましたが、政子は「あなたが流人として伊豆におられたとき、暗夜に迷い、深雨をしのぎ、あなたの所に行きました。また石橋の戦場に出かけた時、ひとり伊豆山に残り留まって、あなたの存亡を知らないで、日夜魂を消していました。その愁は、今の静の心と同じです。義経の多年の好を忘れて恋い慕わなければ、貞女の姿ではありません」と頼朝を宥めました。毎年四月に行われる鎌倉まつりでは、第二日曜日に鶴岡八幡宮舞殿で「静の舞」が奉納されます。
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