風流 阿古耶の松の由来(山形市万松寺につたわる伝説)

8番運行
物語部門

風流阿古耶の松の由来(山形市万松寺につたわる伝説)

横町・下万場町若連囃子:小泉囃子若連

解説

千歳山に住む藤原中納言豊充の息女阿古耶姫が一人思いを込めて琴を奏ていた。ここ幾夜、いつの間にか麗わしい姫の姿を慕うかのように一人の若武者が琴の音をじーっときいている。そして若者の囗から「私は千歳山の頂にいる千年の古松です。もう死ぬべき日が明日に迫って参りました。名取川の橋材になります。どうぞ心根優しい姫の手で供養して下さい。……」
翌日老松は曳き降されようとしている。だがどうしたことか老松はびくとも動かない。しばし人夫達の立ち騒ぐさまを眺めていた姫は老松に近寄り「千歳の老松よ……」と声をかけた。すると今までどうにも動かなかった老松か大枝を震わせ動き出した。この不思議な光景に人々は何かにうたれたように茫然としているだけであった。千年の樹令を数えれば一幹の松も霊あるものと化すのか。美くしい姫君と山頂にそびえた老松の物語
何か幽玄な情緒をたたえている。
戻る