風流 本能寺

4番運行
物語部門

風流本能寺

清水川町若連囃子:不明

解説

時は天正十年六月二日の未明明智日向守光秀が一万余騎の大軍をひきいてくるりと馬首を全軍の方に向けると「わが敵は本能寺にあり」と大声でさけんだ。
光秀は謀叛を起したのである光秀も弟の光春もすばやく一むち当てると本能寺を目差してかけ出した。
一方信長は本能寺に於いて長旅の労をねぎらい謀叛と酒盛をいたし、とくいの幸若舞いを舞い寝についた。ふと夜中に人馬の近づく音が聞えて来た「蘭蘭闌はおらぬか」と太刀を片手に立上った蘭丸はあわてて衣服を更め暁暗をすかし見れば夜目にも白白く桔梗の旗印で本能寺を取巻いていた「明智日向守謀叛と兄受けます」と息をはずませ報告をした。蘭丸は信長のそばちかく前髪を振乱して十文字の槍をしごいて欄干に片足をかけて敵を突伏せていたその時「信長公見参」と大声で叫びながら明智方の勇者安田作兵エが信長に向って迫って来る。蘭丸は欄干の上から十文字の槍を突きおろしたが先程の奮戦で手もとが狂い作兵エの喉とすれずれ大地につきさした。ついに本能寺は火の海につヽまれ蘭丸も又十七才を一期としあわれ花の命を失った。御存知森蘭丸本能寺奪戦の舞台であります。
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