風流 楼門五三桐

6番運行
歌舞伎部門

風流楼門五三桐

北本町若連囃子:山屋囃子若連

解説

石川五右術門は桃山城から真柴久吉秘蔵の千鳥の香炉を盗み出して、桜花爛漫たる京の南禅寺の山門ので悠然と春景色を眺めていた。
〽絶景かな絶景かな。春宵一刻価千金とわふいせいふいせい。此の五右衛門が一目万両、ハテラララかな眺めじやナアー〽
五右衛門は恍惚としていた。どこからどもなく白羽の鷹が降りて来て嘴にくわえていた血染の自絹を置いて飛び去った。見ると父此村大炊之助が真柴久吉に計らわて落命した事が認めてある。愕然となった五右衛門。――

そこえ下から現れたのは巡礼姿に身をやつした真柴久吉であった。きっと睨んだ五右術門は手裏剣を投げつけたが久吉はこれを巧に手にした柄杓で受けとめ「巡礼に御報謝」と楼上の五右衛門を睨み返した。五右術門は大刀を引きつけ、真柴久吉をきっと見据えた。歌舞伎の代人的名場面である。
戻る