風流 田原藤太

16番運行
物語部門

風流田原藤太

常仲町若連囃子:升形若連

解説

近江の国(滋賀県)三上山を七巻半する怪物百足を退治した田原藤太、此の舞台は皆様すでに御存知の近江八景に名高い瀬田の唐橋、その橋上に豪勇田原藤太と滝龍神の出合いの場であります。

時今から千有余年前承平の頃、瀬田橋の下に住む龍神は、夜毎に現われる三上山の大むかでに散々悩まされるりで、だれかに退治してもらいたいと、その長さ二十丈におよぶ大蛇に化けで橋上に横たわり、通行人を物色していた。ちょうどそこえ通りかかったのが、大和の国、田原の生れ、後年平将門を討って勇名をはせた田原藤太郎秀郷。ゆうゆうとこの大蛇をふみつけて通る豪胆さを見込まれむかで退治にのりだした。やがて夜、みな恐れおののきかくれるが藤太は一人怪物百足の出現を待ちわびる。
夜も更けたころ、雷鳴とどろき雲をよぶ、かの怪物三上山よりはい出した。「ござんなれ」とばかりに藤太はわが愛用の強力五人張―の大豪刀をひきかかい怪物百足を退治するという豪壮華麗な大舞台であります。
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