風流 「石橋」

14番運行
歌舞伎部門

風流「石橋」

常仲町若連囃子:升形若連

解説

出家した大江定基は寂昭法師と名乗り、中国、印度にある仏教遺跡の巡礼の途中、清涼山にやってきた。目もくらむような深い谷に、自然にできた石の橋がかかっている。
寂昭法師がその橋を渡ろうとしたときだった。そこヘー人の童子が現れ、この石橋は千丈余の底知れぬ谷にかかっている、幅はわずか一尺にも足りないが、長さ三丈にも及んでいる。これは人間が渡しだのではなく、天然のものであり、とても人間が渡れるものではないから、やめるようにといった。続けて童子は、この谷の向かい側は文殊菩薩の浄土であるので、ここでしばらく待っておれば、やがて奇瑞(めでたいことの不思議な前兆)を見ることができるであろうと告げて、姿を隠した。程なく文殊菩薩の使いの獅子が石橋の上に現れ、牡丹の咲き乱れる中を、たわむれるように舞い続けるのだった。
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