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風流 那須与一「扇の的」
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風流 那須与一「扇の的」
平成
2
年
6番運行
物語部門
風流
那須与一「扇の的」
鐵砲町若連
囃子:
福田囃子若連
その日は、源平たがいに引いてホコをおさめていた。
と、平家の陣から、飾りたてた一般の小船がこぎよせていた。
戦いのさなかに何事ぞ…小手をかざしてみると、舟のへさきに竿を立て、その先に日の丸の紅もあざやかな扇が結びつけてある。これを見た判官・源義経、なみいる将兵をみまわした。
「誰か、あれを射るものはおらぬか…」
召された与一双肩に源氏一統の弓矢の誇りをかけ、沖へ沖へとつきすすむ。
やがて馬をとめた与一は、しばし目をとじて…南無八幡大菩薩、諸々の神よ…と心中に念じ、両軍しゅくとして声をのむうちに矢を放つ。要を射ぬかれ、ハラハラと波間におちる扇…両軍のあげる讃嘆の声は。しばしなりやまなかった。
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