風流 土蜘蛛

19番運行
歌舞伎部門

解説

この歌舞伎は源頼光主従が葛城山の土蜘蛛を退治したという伝説を演じたものである。
源頼光が瘧(熱病)を煩って諸寺諸山の高僧の祈祷を受けたが効験が見えない。葛城山の土蜘蛛の精は比叡山の僧に化け祈祷にことよせて頼光に近寄り、神通力にて頼光を悩ます。しかし名剣膝丸の威徳によって害を加えることができず逆に斬りつけられる。かけつけた四天王の者達は頼光の指す怪僧の流した血をたよりに北野の塚まで追う。その大塚を掘り起こしてみると中より土蜘蛛の精が現れ、武者達めがけて千筋の糸を投げ襲ってきた。その時、四天王随一の豪傑、坂田金時が土蜘蛛相手に大立ち回り演じ、名剣膝丸の威徳も借り、ついにこれを仕止めた。歌舞伎の中でも荒事として名優が競って演ずる名場面である。
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