風流 解脱景清

16番運行
歌舞伎部門

風流解脱景清

馬喰町若連囃子:飛田囃子若連

解説

その昔没落した平家方の怨霊の祟りのため、鐘が鳴らないのでその追善供養を行うと、まさしく源氏を呪って荒れ狂う、平の悪七兵衛景清の亡霊が現われ出たので江間小四郎、梶原景時らとうちかかる。亡霊は鐘を落して其の中にかくれた。そこへ亡霊景清の娘人丸と、実は平宗盛の一子宗定である。鐘作り太郎助が、恋を語らひながら通りかかった処を梶原の捕方が捕えて斬ろうとすると、景清の亡霊が再び現われて大いにあばれ出し、容易に鎮められないので、畠山重忠が来て、「小松内府平重盛の息女は発心し仏門に帰依した」と告げ、形見の小袖を景清に被せると、逐に「平氏再興の執着」は消え、穏かに、解脱して、安心立命したとの古話があり、所作ものとして歌舞伎に上演されている。此の場は景清の亡霊が再び現われ傍の卒塔婆を引抜いて形相も妖しく、群る軍兵を相手に阿修羅の如く立廻りする有様を茲に再現したものである。
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