長きに亘る源平の戦いは壇ノ浦で最後 の大合戦となった。初めは潮の流れを熟知 していた平氏優勢であったが、潮の流れが 変わると、義経軍はこれに乗じて平氏軍 を押しまくり勝敗が決した。敗北を悟った 平知盛は、投げた碇に引っ張られるように海へ身を投じ 、 二位尼(時子)は、「どこに行 くのか」と問う安徳帝に、「極楽浄土へ参 りましょう。波の下にも都がございます」 と答え、安徳帝とともに海に身を投じ、平家は滅亡した。知盛の潔さに、弁慶は法螺貝を吹き、哀悼の意を表すのであった。