その昔、大江の国の高僧、寂昭法師が、唐(中国)の清涼山という奥山で、難行修行の途中に、ある大滝にかかる石橋の袂に一時の休養を求め休み臥しました。すると、夢枕に親子の獅子の精が現れ、身の毛もよだつ万丈の崖の千尋の谷にて子獅子の精の谷落としを決行、親獅子の精が涙して見守る中、子獅子の精の成長と未来に託す想いや愛情とを夕日に染まった断崖の景観と母情とに心をうたれ、後に親子獅子の精が牡丹の花に戯れ、豪壮な石橋で千秋万歳を寿き、獅子の座につく姿に満身の感動を覚えて、寂昭法師は目を覚まし、さらに精進を誓い再び旅立つのでした。生きる物の世の掟とその厳しさと、親子間の従順関係と愛情とを表現した一場面を山車製作のテーマといたしました。