時の帝には皇子がないため鳴神上人に修法を乞うて太子降誕を不動明王に祈らせた.霊験があって太子が生まれたが、帝は上人のために北山に戒壇を設けてやるとの約束を果さない。これを恨んだ鳴神上人は三千世界の竜神を滝壺に封じこめた。このため雨が降らす天下は旱魃になり、民、百姓の苦しみを救うため朝廷は上人の許へ、雲の絶間姫という絶世の美女をつかわした。絶間姫は妖艶な色仕掛けで上人の心をとろかし、ついに破戒、その瞬間庵りの護摩壇に掛けられていた不動明王の尊像が怒りの炎と化し形相もすごく滝の上に姿をあらわし姫を導き竜神を封じ込めた注連縄を切り落とす、行法は破れ、竜神は天にのぼり水不足が解消されたという歌舞伎十八番の不動の見得の場です。