風流 勧進帳

13番運行
歌舞伎部門

風流勧進帳

北町若連囃子:萩野囃子若連

解説

勧進帳は、歌舞伎十八番中もっとも新しい作品で、一八四〇年(天保十一年)三月、江戸河原崎座で初演されました。
源頼朝の逮捕の手をのがれて奥州に落ちのびる義経主従を、安宅に新関を設け待ち受ける関守富樫左衛門の詮議となるが、
「一人も通すことまかりならぬ」の富樫の語気に、一同最後の勤めをせんと祈り念ずるのでした。
富樫も心折れるが、南都東大寺建立のための諸国勧進の僧ならば、勧進帳を所持しているはずだから読めと追及する。
弁慶は白紙の巻物を勧進帳と偽わり、大胆に読み上げ、更に「山伏問答」を重ねた結果、漸く関所通過が認められる。
番卒が、強力姿に身をやつした義経を見とがめ、あわや露顕かと思う時、弁慶が機転で、義経を金剛杖で打擲するのでした。
「疑えばこそ斯かる折檻をしたまう」と、弁慶の忠節心に感じて見のがす富樫の愁いがこめられる勧進帳最高の場面であります。
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