風流 最上川『矢向城』

8番運行
物語部門

風流最上川『矢向城』

下金沢町若連囃子:鳥越囃子若連

解説

時は永禄六年戦国嵐の時代。最上地方は、各地の強大な戦国大名に囲まれ、まさに累卵の危きにあった。庄内藩主、武藤氏は、早くも大軍を率いて当地に攻め入って来た。めざすは、最上川畔の断崖に立つ矢向城。新庄に至る要衝の地であり、ここを落とせば、町は指呼の間に望むことができ、又、城主の娘「麗姫」という身も心も花のように美しい姫を奪うことができるのであった。城主、合海志摩守は、あらゆる秘術を尽くして敵の攻撃をかわした。激闘数ヶ月、しびれを切らした武藤氏は、ついに天空の魔神鷲の王を呼び襲わせた。だがこの一瞬、稲妻が走り雷鳴とともに轟音が鳴り、最上川の龍神が姿を現し火炎を吐いて鷲の王にとびかかった。巨大な鷲と龍の死闘が続いたが、乾坤一擲、ついに雌雄を決することなく鷲の王は雲の彼方へ、龍神は再び、矢向淵の底に帰った。かくして矢向城は守られ最上の里に平和が蘇ったのであります。
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