風流 弁慶の引きずの鐘

16番運行
物語部門

風流弁慶の引きずの鐘

上万場町若連囃子:小泉囃子若連

解説

昔、三上山むかで退治をして、天下に名をとどろかせた田原藤太郎が、竜神から贈られた大鐘を三井寺に寄進した。この鐘には不思議があり、寺中に変事があるときはきっと汗を流すと言い伝えがある。高さ五尺五寸、厚さ三寸五分、直径が四尺一寸、目方六百貫という日本で最も古い大鐘である。この三井寺と比叡山の大衆が座主の相続をめぐって長い間争ったが、それが激化したのは。西塔の武蔵坊弁慶が、比叡山の荒くれ法師の頭となった頃のこと、「よし俺が三井寺の奴等をやっつけてやる。」と一山の不良法師どもを引き連れて山を下った。さしも音に聞こえた三井寺の法師も弁慶には歯が立だなかった。勝に乗じた弁慶は、三井寺自慢の大鐘に手をかけてずるずる引きずって山へ持ち帰った。
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