風流 紀伊国屋文左衛門「みかん船之体」

9番運行
物語部門

風流紀伊国屋文左衛門「みかん船之体」

北町若連囃子:萩野囃子若連

解説

江戸時代の商人、紀伊国屋文左衛門は熊野灘の荒天続きで、江戸には一籠の蜜柑も入っていない事を知る。
吉とでるか凶とでるか、文左衛門はここ一番に大勝負を賭け、千石船「梵天丸」に大量の蜜柑を積み込み、荒天続きの冬の海に乗り出す。
命知らずの水夫達の出で立ちは、背中に「南無阿彌陀仏」の六文字を背負った白い死に装束。
暗い天空に鳴りはためくは、風の音か、波の音か。文左衛門達を乗せた梵天丸は、荒海の真っ只中、激浪にもてあそばれ漂流する。
「金比羅大明神、金比羅大明神」と念じつつ、荒天の熊野灘をやっとの思いで乗り切り、目指す江戸にたどり着く。
江戸は折しも、鍛冶屋の鞴祭。もくろみ通り、蜜柑は高値に売れて、紀伊国屋文左衛門は、巨万の富を得る。
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