山形城主の娘光姫は大変美しい姫であった。鮭川領主横川大膳は姫との結婚を切望していたが拒否され、諦めきれない大膳は光姫を略奪しようとしたが、逆襲され処刑されてしまった。その後、城中には大膳の亡霊が現れ、姫を悩ませるようになった。仏心のあつかった姫は、大膳を弔うために観音の霊場を巡礼しようと城をぬけ出したが、巡礼の経路もわからず途方に暮れていた。すると二人の老人が小屋に泊めてくれ、巡礼の経路も親切に教えてくれた。翌朝姫が目を覚ますと小屋はなく、枕元には巡礼経路が書かれた書き物が残っていた。姫はそれをもとに霊場を巡り、打ち止めの庭月観音に到達し大願を成就することができた。これが最上三十三観音の由来である。